MP3などというものは廃れ(個人の感想)、CDのリッピングなどには可逆圧縮方式であるFLACを使うのが当たり前になった現在(個人の感想)、新たな問題に直面している。アルバムアーティストタグをどうするのか問題である。
リッピングしたらそのまま聞く人、つまりMp3Tagなどを使って自分でカスタマイズしない人は読まなくて大丈夫です。
アルバムアーティストとは
アルバムアーティストとは、読んで字のごとくそのままアルバムのアーティスト、アルバムに1対1対応するアーティストである。このタグの発祥はAppleのiTunesだった記憶がある。
主な使いみちとしてコンピレーションアルバムがあり、fripSide PC game compilation vol.1を例に説明する。このアルバムのアーティストはfripSideであるが、例えば8曲目のSTAR☆CARNIVALを歌唱しているのは今井麻美・長谷川明子である。
こういう場合、アーティスト名を今井麻美・長谷川明子とし 、アルバムアーティスト名をfripSideとすることで解決できる。
ちなみにこういう場合、freedbなどのCDDBでは「アーティスト名 / タイトル名」という形でタイトル名に突っ込むのがお約束となっている。
ただこれは制約の強いCDDBでの話であり、音楽ファイルのタグとしてはアーティスト名とアルバムアーティスト名を使ったほうが自然で処理しやすいと考えている。
何が問題なのか
MP3ではアルバムアーティスト情報を格納する場所が(実用上)決まっているが、FLACでは決まっておらず表記ゆれが発生している。これが問題である。
MP3の場合、曲タイトル名やアーティスト名などをファイルに保存する際にはID3タグを使っていた。
詳しくはWikipedia(もしくはID3タグの公式仕様)を見てほしいが、タグ情報を保持するフレームには何が記録されているかを示すフレームIDがある。例えばタイトルを記録したいときだったら、フレームIDをTIT2としたフレームを追加すればいいわけだ。
ちなみにMP3にアルバムアーティストを定義するときのフレームIDは一般的にTPE2らしい(Mp3Tagのヘルプページより)。本来TPE2は別の意味なのだが、iTunesがTPE2を使い始め、他のソフトが互換性のために追従したようだ。
さて、一方FLACでのタグ情報はVorbis commentと呼ばれる形式で記録される。詳しくは公式仕様を参照のこと。
Vorbis commentもID3タグと同様にフィールド名と値のペアからできている。ただし、フィールド名はASCII文字で自由に定義できてしまう。もちろん曲タイトルをつけるときのフィールド名は「TITLE」にしてね、などのルールはある。
そして、Vorbis commentにはアルバムアーティストをどうするかのルールがない。COMPOSERなどは定義されているのだが(リンク)、アルバムアーティストが定義されていないのである。
前述の通り、Vorbis commentのフィールド名はASCIIでかなり自由に設定できるので、当然半角スペースもOK。すなわち「ALBUMARTIST」「ALBUM ARTIST」の表記ゆれが発生してしまう。個人的にはわざわざ半角スペースを挟む理由がわからないのだが…。
各ソフトの対応状況
いくつかのソフトがALBUMARTIST(半角スペースなし)とALBUM ARTIST(半角スペースあり)のどちらに対応しているか調べた。結果がこちら。
- Mp3Tag:ALBUM ARTISTに書き込むらしい
- MusicBrainz Picard:ALBUMARTIST
- Tune Browser:基本ALBUM ARTISTだけどALBUMARTISTにも一応対応
- MusicBee:ALBUMARTISTとALBUM ARTISTをマージして表示してくれる
- もはやぐちゃぐちゃ
ググると混沌としていてたいへん楽しい。いや楽しくない。
最善の手はALBUMARTISTとALBUM ARTISTの両方を入れることだけど、めんどくさい…。
ちなみに私は普段Mp3Tagでタグを編集しているが、設定をゴリゴリにカスタマイズしてALBUMARTISTへ書き込むようにしている。
結論
俺はALBUMARTIST(スペースなし)で統一するわ!!!! よろしくな!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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